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本場イタリア地方料理とオリーブオイル~イタリアを旅して

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2009年 02月 19日

ピエモンテ地方の郷土料理と地方のワイン会

今夜は、エノレアからお届けする 第2回倶楽部ガストロノミア企画、
~郷土料理とワイン~テイスティング&マリアージュの会

2月のテーマは 「ピエモンテ地方」 
西はフランス、北はスイスに国境を持つ、北イタリアの比較的冷涼な山間の地。

白トリュフやジビエ、野生の茸をはじめとするイタリア食材の宝庫と呼ばれる美食の地なだけに、
そして、イタリア内では偉大なる長熟のワインを造るピエモンテ地方だけに、ワイン会となると楽しみです。


さて、本日の地方料理ディナー&ワインです!

先ずは最初のお料理。 
  ~ソーマ~ 
  「積荷」という意味のこのクロスティーニは、ラルド(豚の背脂)の塩漬けを薄切りにしてのせ、
  軽くトーストしたもの。暖炉の火で軽く焼くとラルドの表面がジュッっと半透明になり、
  その温度は、舌の上にのせると口どけの良いちょうど良い状態になります♪
  葡萄の収穫時には、同じソーマでも、ラルドではなく、甘いモスカートの葡萄を一緒に♪
  モスカート種のワインの為の葡萄を収穫しながら、最高のお弁当ですよね。
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  ~ピエモンテ風タルティーノ~
  濃厚な茹で卵の黄身とリコッタチーズを主体にリピエノ(具)にした「ちっちゃなタルト」という意味の料理。
  ケイパーの香りや西洋わさび、生ハムの塩みが卵黄やリコッタにボリュームと個性を与えます。
  飾りの卵白の粗みじん切りが濃厚なリピエノとバランスをとり、外せないアクセントですね。
  ちなみに、タルトになるパンは、
  柔らかい甘みの自家製パン「パーネ・ピエモンテーゼ(ピエモンテ地方パン)」をカリッとトーストしたもの。
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上記、始まりの鐘を鳴らすお料理にマリアージュさせるは、
近年ピエモンテのワイン農家がネッビオーロ種と肩を並べて力を入れる赤、バルベーラ種を。
黒葡萄バルベーラ種を使った 楽しく踊るようなバルベーラ ダルバ。
作り手は
ピエモンテ地方の郷土料理と地方のワイン会_c0179042_18543634.jpg


 
続きまして、アンティパスト(前菜)には、
~トリッパ(牛の胃袋)のインサラータ(サラダ)~です。
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イタリアでは、トリッパはよく食べられます。 煮込んだり、じっくり茹でたり、サラダに。
そしてパニーニのお供に。
今日は、どうしても白葡萄アルネイス種のワインをこの会におだししたかったので、
どこで合わせるか...考えた挙句、掟破りにトリッパと。。
その代わり、トリッパはトリッパの旨みともいえる臭みをしっかりとり、
伝統にしたがって、マグロのオイル漬けや野菜類とあわせ、
お味はレモンとマスタードをきかせてさっぱりと仕上げました。
生カルチョッフィ(アーティーチョーク)の薄切りの代わりに、キクイモの生薄切りを使用。
爽やかに瑞々しい食感が踊るトリッパのインサラータ!
ピエモンテを代表する風味あるエレガント系白ワイン華やかなロエロアルネイスとマリアージュさせました♪
作り手は、↓
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お次のプリモピアット(第1の料理)には、
~ペ~
ピエモンテ地方にはプリモピアットの都。ここにしかないリッチテイストなパスタ類が豊富に存在。
美しい黄が映える細麺手打ち、Tajarin タヤリン... 今となってはノーマルなタリオリーニ、タリアッテレ。
土地ごとにリピエノが異なる肉系詰物Agolottiアニョロッティ、そしてラビオリ。....アルデンテのリゾット、

数多くのピエモンテ地方のプリモピアットを操る当オステリア、エノレアの大谷敬太シェフ、
「これがいいっす!!」と即決したのは??
素朴&コアなパン粉を使った団子状のスープ料理「PE(ペ)」。
どうもその名にピンと魅かれてしまったらしい...
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合わせるは、敢えてここでは、ネッビオーロ種のバルバレスコ。
どうしてもメインには美味しいと思えるドルチェット種をもってきたかったのと、
ピエモンテでバローロorバルバレスコをださないのもなあという気持ちも若干あって、
素朴なパン粉スープ系プリモピアットのお供ということで、
バルバレスコの中では親しみやすさ満点、若いながらもすこし枯れ感を感じさせてくれるこちらをご用意。↓
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そして、セコンドピアット(メイン)。
~サルシッチャ ブラッサータ(自家製ソーセージの赤ワイン煮込み) ポレンタ添え~
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「現地の料理とワインを知り、味わい、マリアージュする」という郷土料理の会、
大谷シェフには、「今回のレシピは専門書の記述どおりにヨロシクね」とお願いしたのですが、
ん~。。。。しかし、塩辛さでは最強のピエモンテ地方は本当に味が濃い・・・
ちょっと変更&調節させてください。。。
ポレンタとは、とうもろこしを乾燥させたものを臼でひいて、粉状にし、塩入りの熱湯で練り上げたもの。
発酵バターで風味をつけて仕上げています。
色々な意味で豊かになったいまでこそ、メインもそんなに塩辛くせず、ポレンタの量も減りましたが、
クチーナ・ポーヴェラ(庶民の料理)の地、イタリアでは、
伝統的には少量のたんぱく質(肉や魚のメイン料理)を塩味濃~くして少量盛りつけ、
たーっくさんのポレンタを添えて調和させ、一緒に食べたのです。

合わせるワインは大好きな
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濃い、鮮やかなコクがワインで煮込まれたサルシッチャと相まって、すばらしいハーモニーを奏でます。

最後の締めのドルチェ(デザート)。
郷土菓子アマレットを使って作ったボネ。ピエモンテ伝統のチョコレート菓子です。(荻堂紀里作)

本当はモスカートの搾りかすで蒸留したグラッパでマリアージュさせたいところでしたが、
ご予算オーバーでストップ(泣)!!
皆様とのわきあいあいなワインディスカッションの楽しさの中、
モスカートビアンコ種で作ったグラッパを心に想い、締めをいただきました。

とても楽しかったテイスティング&マリアージュの一夜。
次回のワイン会は4月。(奇数月がオリーブオイルと郷土料理、偶数月がワインと郷土料理なのです)

どこの地方にしようかな.....

by nori_ogido | 2009-02-19 23:26 | オリーブオイル&料理イベント


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